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誤解を打破する:水素自動車および水素充填における経済性
誤解を打破する:水素自動車および水素充填における経済性 Chuck Hayes、クリーン・エネルギー担当主席アプリケーション・エンジニア、スウェージロック 水素燃料電池自動車および水素充填に関連した市場が成長していることは間違いありません。しかし、この技術が注目されるにつれて、誤った情報が広まっている可能性があります。水素の場合、誤解を生んでいるポイントとして、その安全性、モビリティ分野での燃料としての可能性、コスト、環境への影響などが挙げられます。 水素は、安全性、信頼性、費用対効果、環境適合性に優れていることから、現代の自動車燃料のニーズを満たす可能性を秘めています。 そして、地球...
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孔食とすき間腐食の違い
孔食とすき間腐食の違いを見分ける 腐食、つまり周囲環境との化学反応によって材料が劣化する現象が生じると、多大な損失につながりかねません。チューブ・システムのステンレス鋼の腐食を放置していたことに端を発する不具合は、海洋や沿岸のアプリケーションにおける損失の主原因であり、NACEの 調査 によると、年間で10億ドルを超えるコストが投じられています。NACEによれば、この金額の内訳は「海上のパイプラインおよび施設にかかるコストが5億8,900万ドル、地面に掘った穴を通るチューブの年間費用が4億6,300万ドル、腐食に関する設備投資が3億2,000万ドル」となっています。 幸いなことに、一般...
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レギュレーターの供給圧力影響(SPE)に対処する
レギュレーターの供給圧力影響(SPE)に対処する Wouter Pronk、シニアフィールドエンジニア、Swagelok 流体システムのオペレーションを担当している方であれば、ガス・ボンベを供給源とするプロセス・ラインで、これといった理由も無く 圧力レギュレーター の二次側圧力が上昇する現象に遭遇したことがあるのではないでしょうか。 ボンベが空になると、レギュレーターの一次側圧力は下がります。 このとき、ベテラン技術者も含め大半の方が二次側圧力も同様に低下すると思い込みがちですが、実際には二次側圧力は上昇します。 これは、供給圧力影響(SPE)による現象です。 供給圧力影響(SPE)...
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信頼性の高い圧縮天然ガス充填ステーションを構築するには
流体システムを適切に選定し、優れた圧縮天然ガス充填ステーションを構築するための3つのポイント Chuck Hayes、新製品開発主任エンジニア、スウェージロック Paul LeStrange、代替燃料担当技術者、スウェージロック・サンディエゴ 大型トラックや民間バスといった大型車両といえば、ディーゼル車特有の黒煙を伴う排ガスのイメージが強いのではないでしょうか。 しかし現在では、こういった思い込みは時代遅れと言われかねません。世界各地で排ガス規制が強化されたことから、さまざまな輸送用途向けの代替燃料ソリューションの開発競争が激化しています。圧縮天然ガス(CNG)は、化石燃料に比べて馬力が...
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バルブとは:バルブのタイプおよび機能
一般産業用バルブの基礎知識:バルブの基本的な機能およびタイプ 小口径流体システムは、世界各地において、工業系企業が高い生産力を維持する上で重要な役割を担っています。そして、小口径流体システムを機能させる上で重要な役割を担っているのがバルブです。 バルブにはさまざまなタイプがあり、流れを制御する方法はそれぞれで異なります。そのため、流体システムのオペレーターは入手可能なバルブのタイプを知り、かつバルブのさまざまな機能を理解して、アプリケーションに適したバルブを確実に選定することが重要になります。 バルブを適切に選定するべく、流体システムの設計者やオペレーターは、次のような点につい...
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水素燃料は割高ですか?
水素燃料が費用対効果に優れている理由 Chuck Hayes、グローバル技術主幹、スウェージロック コストは、新しい技術が本格的に採用されるかどうかの鍵を握る要因のひとつです。代替燃料源を評価する上で、コストの検証は欠かせません。最終的な使用形態に関わらず、水素の普及促進を図るには、生成時および利用時の費用対効果がポイントになります。 「水素は割高なのでは?」「水素自動車を毎日運転したり、産業で水素を使用したりするには、コストがかかりすぎるのでは?」といった疑問を抱いている人は少なくないでしょう。その疑問に端的に答えるとするならば「いいえ、少なくとも長い目で見れば」です。水素は、現在...
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ガス・プラントで漏れを解消し、作業時間の90%短縮を実現
大手天然ガス処理業者、100か所以上もの漏れを解消して作業時間の90%短縮を実現 プラントの改修 において、最も時間を要する工程として、新しい部品または使用中の部品を使用して流体システムを再構築した後、すべての接続部分に漏れがないかを調べる作業が挙げられます。取り付けが不適切な場合や、漏れ検出プロセスが不十分だった場合は、莫大なコストが発生するおそれがあります。また、一部の漏れを見逃してしまうと、排出物が発生して安全上のリスクとなる可能性があります。 大手の天然ガス処理業者は、カナダにあるプラントの改修を実施するにあたって、漏れ検出プロセスの迅速化ならびに適切な再取り付けを実現するべく、...
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FPSO船向け流体システムの構築に伴う問題を回避するには
複雑な浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO)の建造に挑む Tommy Jamail、リージョナル・コンストラクション上級マネジャー、アジア太平洋地域担当 Barry Rowe-Platts、技術主幹、エンジニアリング・サービス担当 オイル/ガス産業に携わる企業は、先行きが読めない市場における困難な状況を切り抜けながら、アップストリーム事業の採算性を維持するべく模索しています。その中で、 浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO) 船は、世界各地の油田から効率的かつ低コストで原油を生産する手段として採用されるケースが増えています。 FPSO船は、固定式のオイル/ガス・プラットフォームと同等の機能を...
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水素燃料での長距離走行は可能でしょうか?
水素自動車の航続距離に懸念がありますか?心配は無用です。 Chuck Hayes、グローバル技術主幹、スウェージロック 代替燃料や輸送技術が普及し、有用性が高まっている昨今、水素自動車の航続距離は従来のディーゼル車やガソリン車に匹敵するのかという疑問を持つのは当然です。 水素は、これまで化石燃料に依存していたアプリケーションでの利用に大きな可能性を秘めています。脱炭素化への動きが加速する世界において、水素は理想的かつ 有望な代替燃料 であるといえます。 しかし、水素にまつわる誤解によって、水素自動車の普及が進んでいない可能性があります。例えば、水素は長距離走行に対応できない燃料...
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水素、サンプリング、腐食に関する知見
2024年を振り返る:「Ask Swagelok」の開設 今年スウェージロックは、動画ライブラリー「Ask Swagelok」を新たに開設しました。「Ask Swagelok」では、スウェージロックの専門スタッフがさまざまな質問に答え、流体システム設計に関する知見を提供しています。今年は、5つのテーマについて専門スタッフとの対談動画を公開し、さまざまなトピックを取り上げました: 液体サンプリング スウェージロックの流体サンプリング専門スタッフであるマット・ディクソンが、アウテージ・チューブ(ディップ・チューブ)の役割、ベーパー・スペース(気化スペース)が適切に圧縮されなかった場合にボン...